あれから、どれぐらいの時間が経ったのだろう。
あれから、何度イッってしまったのだろう。
なにもかもが、霞がかって分からない。
「うッ……んんッ……」
「おっと。危ねえ危ねえ」
達してしまいそうな所で、林が手を離す。ここに連れ込まれてから何度も何度もイカされた後、今はずっとイく寸前で止められている。思わずベッドのシーツを強く握りしめてしまったり、内腿をくねらせる俺を、林が楽しそうに見ていた。
「ほら、身体起こせ……よっと。それにしてもでけえ胸だな。手に吸い付くみたいな柔らかさだしよ。ずっと弄ってても飽きがこねえ。お前、エロい身体してるぜマジで」
「んうッ、ふううううッ!」
お前にそんなことを言われても嬉しくない、という言葉が出るより先に喘ぎが漏れてしまう。林が後ろから俺を抱きすくめ、両手で胸を揉みしだいてくる。どこをどう触れば俺が反応するのか、これまでの愛撫で全てを理解しているようだった。
すでに一枚も服を身につけていない俺の全身を、林の手が這い回る。つうと腹を撫で、そのまますくい上げるように胸を包み込む。指先で先端を挟み込むように捏ね回し、抱きすくめるように身体を引き寄せる。
「あッ……ああッ! 耳をッ、噛むなッ!」
言っても聞くはずもなく、耳を甘噛みされ、そのまま舌が首筋を舐め回してくる。唾液の痕が俺に熱を伝え、お腹の奥が切なそうに収縮した。
「んなこと言ってっけどよ、お前の身体もう真っ赤じゃねえか。感じてんのバレバレだぜ? チンポ入れてもねえのに、何回イッたんだよ? なあ?」
俺の胸を弄くる手。寄りかかった胸板。まとわりつく吐息。そしてなにより、腰に押し当てられている感触。林のトランクス越しに感じるそれは、すでに固く勃起していた。
その全てが、俺の中の熱さを加速させていく。きゅうきゅうと、お腹の奥が啼いている。
だけど、こいつはなぜか俺に入れようとしてこない。この部屋に連れ込まれ、浴衣も下着も剥ぎ取られ、何度も何度もイカされて、そのあとは嬲るようにして愛撫されて。
林自身、下着越しのモノを擦りつけてくるぐらいなのに、それでも入れてこない。じわじわとこちらを昂ぶらせて、それを楽しんでいる。
「黙ってんじゃねえ、よ!」
「んんッ! ああッ!」
「へッ、こういうときだけ声を出しやがる」
答えまいと口を引き結んでた俺に気分を害したのか、いきなり指を入れてきた。超時間の愛撫によって充分ほぐされたそこは、なんの抵抗もなくつぷりと二本の指を受け入れる。
「オラ、オラ、オラッ! そろそろイカせてやるよッ!」
「あッ、あんッ、うんッ! くうッ、んんッ!」
くちゅくちゅと中をかき混ぜるように動かし、敏感なところに当たるように指をくいくいと曲げる。空いている手が胸を強く鷲づかみにし、それでも痛さより気持ちよさがびりびりと広がってくる。
内と外、二つの刺激に頭の中が真っ白になっていく。
「ダメッ、ダメだッ! んんッ! ああああッ!」
「イけッ! イッちまえ!」
「あうッ、あああああああああッ!」
喉を反らし、ぎゅぎゅっ、と中に入っている指を締め付ける。林の太ももに置いていた手が、抓り上げるように肌を掴む。
数秒の高まり。その後にくる倦怠感。それに逆らうこともできず、林の身体へとしなだれかかってしまう。林が満足そうに笑い、舌を唇に差し込んでくる。じゅるじゅると、されるがままに口内を啜られる。
「ん……んッ」
送られた唾液をこくりと飲み込む。それだけで、入れられたままの指に俺の中が絡みついてしまう。きゅうきゅうと、もっと気持ちよくなろうと締め付ける。翔太じゃないのに。好きでもないのに。それでも反応してしまう。
「よし……それじゃあそろそろ――」
林の口上を、携帯の着信音が遮った。今までにも何回かあった着信を無視していた林が、それまでとは異なるメロディを聴いた瞬間に不機嫌そうに眉をしかめた。舌打ちしながら、脱ぎ散らかしたジーンズから携帯を取り出す。
「なんだよ瑞樹、今いい所なんだ。邪魔……あん? おう、おう。ちっ、面倒臭えな……分かったよ。かけさせる。したらもう邪魔するなよ。こっちは盛り上がってたんだからよ」
苛立たしげに携帯を切り、こちらを見る。その眼はさっきまでの好色そうな視線とは違い、どこか面倒臭そうな雰囲気を漂わせていた。
「お前の彼氏がよ、消えたお前を捜してずっとうろついてるんだとよ。俺の女がフォロー入れても聞きやしねえらしくてな。お前、電話で心配ないって伝えろや」
絶頂でぼやけた頭では林の言葉はうまく理解できなかったが、それでも最後の言葉に拒否感を示してわずかに後ずさってしまう。
ここでこうしているだけでも翔太に対するひどい裏切りなのに、電話するなんてもっての外だ。裸で、隣に男がいる状況で電話する。そんなの、絶対に駄目だ。
そんな俺の様子から察したのだろう、林が眼を細めてにじり寄る。
「あのな、これは俺なりの優しさなんだぜ? 今もまだ向こうには残してる奴らがいるし、そいつらにボコらせてあいつの捜索をうやむやにしちまってもいいんだ。でもそうすっと色々と面倒だから、お前に説得させようとしてんだよ。だけどな、面倒だということとやらないっていうことはイコールじゃねえんだぜ?」
唇を舐め、口の端を歪めて笑う。その動きにつられてトライバル模様の刺青も脈動するように蠢いた。
そこから否定できない暴力の匂いを感じ取って、おずおずと巾着から携帯を取り出す。どんな形であれ、翔太がこれ以上傷つくなんてあっちゃいけない。
「ああ、そうそう。瑞樹……弓弦瑞樹、知ってるだろ? お前の彼氏にフォロー入れてる女、そいつだからよ、そういう風に話合わせておけよ」
「え、それって――」
「いいからさっさとかけろよ。俺ァそろそろ我慢の限界が来てんだよ。おら、触ってみろ。ビンビンになってるのが分かるだろ?」
およそこの場で聞くはずのなかった名前に混乱した瞬間、林が俺の手を自分の股間に誘導する。思わず触ってしまったそこから、火傷しそうなほどの熱が伝わってくる。
それは、期待だ。俺を犯せるということと、女に自分の種を吐き出せるということに対する。そしてその期待が熱となり、俺の奥を疼かせる。じゅんと、中が潤うような感覚。
俺も、期待してしまっている。入れられて、かき回されることを。熱くて、固いモノを突き入れられることを。
そんな思考と手の平の熱さ、両方を振り払うように手を離して、メモリから携帯に電話。よほど心配してたのか、ワンコールで繋がった。
「あの、翔太――」
「葵!? 今どこにいるんだ? 弓弦がお前を家まで送ったって言ってたけど、本当なのか? ってか、大丈夫なのか?」
まくし立てるような翔太の言葉に、しかし俺は涙が出そうなほどに安堵を覚えた。翔太は無事で、そんなあいつを裏切っている俺の心配をしてくれている。この状況で、それがどんなに嬉しいことなのか、それがようやく理解できた。
そうして、その翔太に嘘をつかなければならないことに心が痛む。
「う、うん。ちょっとトイレから出たら気分が悪くなってさ。ばったり出会った弓弦さんに送って……んうッ!?」
「葵? どうした?」
「な……んでもない。ちょっと気分が悪くなったッ……だけッ……ふううッ!」
大きな声を出さなかったのは、奇蹟に近かった。林が喋っている俺に抱きつき、右胸を強く吸い立てた。音がするほど強く吸い付き、敏感な先端を舌で転がす。固くなった部分を、柔らかい舌でぐにぐにとこね回してくる感覚に、喉の奥、首の付け根から甘い感覚がせり上がってくる。
気持ちいい。口の端を引き締められないぐらい。今にも、喘ぎが漏れそうなほどに。
でも、今は駄目だ。翔太と喋っている、今だけはそれに流されちゃいけない。
そんな俺を嬲るかのように、反対側の胸に吸い付く。右の胸には、はっきりとした赤いしるしがつけられていた。誰のものでもない、この女が自分のものであるという証。
「んうッ……ごめんね、翔太ッ!」
それはなにに対する謝罪だったのだろう。自分でも分からないまま、電話の向こうに謝ってしまう。
そんな罪悪感でさえ、身体に沸き上がる気持ちよさを消してはくれない。どころか、林の舌によってどんどんと高められていく。
強く吸われる痛痒のような刺激、軟体で擦り上げられるような舌の刺激。気持ちよさに、指が緩んで携帯を落としそうになってしまう。
「いや、いいよ。葵が人混み苦手になったの、知ってたのに連れだした俺も悪いからな」
「ごめ……んッ、ごめんッ!」
謝り続ける俺を愛撫しながら、その舌が先端からゆっくりと下がっていく。胸からみぞおち、腹、そして――
「はッ……ああッ!」
「葵? どうした? 大丈夫か? 葵?」
その意図に気付いた俺が足を閉じようとするよりも早く、林は太ももを押さえつけてその付け根に舌を這わせてくる。他人が、自分の一番敏感なところを舐めている。にゅるりと、ナメクジのように這い回っていく。
「ふ……ううッ!」
唾液とその温かさ、男が触れてきているという全ての気持ちよさが、俺の腰骨を蕩かして全身に伝えてきた。
「だい……じょうぶ。ちょっと、胸が苦しい、だけッ! んうううッ!」
「葵、息荒くなってるじゃん。ゴメンな、本当に無理させちまったみたいだな」
「翔太……は、悪く、ないからッ!」
開いてる手で林の頭を抑えつけようとしても、女の力ではびくともしない。太ももを閉じようとしても、それがかえって望んだ反応であるかのように、顔を押しつけてくる。
そして、すでに硬くなっている部分へと、舌がまとわりついて来た。
「ッ!? ッッッッ!」
声を我慢したのではなく、あまりの気持ちよさに声が出なかった。鼻の奥からツンと立ちのぼるような快感が、脳から全身に伝わっていく。自分が吐き出す息ですら、刺激となって喉を灼いていく。
指とは全然違う、粘質の刺激。絡みついてくるような気持ちよさは、翔太がくれるものとは全然違っていた。そもそも、翔太はここをほとんど触らない。ただ入れて、出す。それだけだ。
違う。そんな、比べたりしちゃいけない。
どんな形であれ、俺は翔太の恋人なのに。
「葵?」
「ごめ……んねッ、今度……埋め合わせする……からッ!」
喋ろうとするたびに、林が舌をぐねぐねと蠢かす。喉に絡みつきそうな喘ぎを我慢して、携帯を落とさないように必死に握りしめる。いつの間にか、腰が浮いているのにも気付いていなかった。
「いいよそんなの。それより、今日は早く寝ろよ。俺が言えた義理じゃないけどさ」
「ん……うんッ!」
「それじゃあな、葵。おやすみ」
「おや、すみ……ッッッッ!」
ぎゅううう、と壊れそうなほどに通話終了ボタンを強く押す。それが合図だったかのように、林の舌が一層激しく動いた。ちゅっ、ずっとわざと大きな音を立て、強すぎる刺激を送り込んで来る。逃げるように腰を引きたいのか、もっと欲しいと腰を浮かせたいのか、それすらも分からない。
「ああッ……ぐうううううううッ!」
絞り出されるような喘ぎが、喉の奥から漏れる。身体中がゆるゆるになったような、気持ちよさ。それが、怖い。
両手で林の頭を抑え、太ももを締めようとしても強引に顔を寄せて舌を這わせてくる。
不意に、舌全体でやすりがけするようにごりごりと押し潰す。電撃のような、快感。
それが、頭の中のなにかを弾けさせた。鼻骨の奥から、ねばねばのなにかが弾けるような感覚。それは、一瞬で全身に行き渡る。
「んんんんッ! ふああああああッ!」
びくびくと、今までに感じたことのない絶頂に背を仰け反らせる。抑えている頭を力一杯掴み、自分の中に起こった大きな波を迸らせた。
まるで全身に愛撫を受けているように、クリトリスからの刺激が伝わっていく。身体中をかき混ぜられたような、甘く重い快感。自分の身体がどろどろになったかのように、力が抜けていく。
「ふッ……うッ……」
波が引いた後の倦怠感に身を任せ、くずおれる。大きなベッドにぐったりと倒れる俺に、林がにやにやと笑う。
「まったく、遠慮無しに頭掴みやがって。禿げたらどうすんだよ。つうか彼氏と電話してるってのに、マンコ舐められて濡らしまくって。葵、エロ過ぎだろ」
べろりと唇を舐め、好き勝手に言ってくる。俺はそれに反論する気力さえ湧かず、ただただ荒い呼吸を続けていた。
そんな俺の口元に、林が腰を突き出してくる。視界に入った林のそれに、今までの残滓が吹き飛ぶぐらいに目を瞠る。
「おら、舐めろよ。濡らしてねえと痛えぞ。俺のはでけえからなあ」
自分で言う通り、林のそれは黒く太かった。平常時でさえ大きいだろうそれが、今俺を犯せるという期待に極限まで固くなっている。待ちきれないというように、先端から先走りがじわりと溢れてきていた。
突きつけられるそれから、後ずさるように距離を取る。見咎めた林が、不機嫌そうにもう一度腰を突きだし、勃起したモノがぶるりと揺れた。
「おい、しゃぶれって。今さらぶってんじゃねえよ。彼氏にいつもやってんだろ?」
そう言われても、俺は口を閉じて必死に横を向く。フェラなんて、したことがない。
翔太の告白を受け入れて、抱き合っても、それだけは無理だった。元が男の俺だからこそ、フェラだけはできなかった。翔太を受け入れてはいても、どうしても嫌悪感が勝ってしまう。
横を向いたまま、ぶんぶんと首を振る。口を開けたら、そのまま突っ込まれそうで怖くなってしまう。
そんな俺の様子から察したのだろう、林が怪訝そうに眉を潜めた。
「ああん? あいつ、お前にフェラさせてねえのか? もったいねえなあ、おい。そうか、やったことねえのか。そうかいそうかい。じゃあ今は勘弁してやるよ」
今までの林らしからぬ意外な提案に、呆けたように林を見上げる。だが、そこには当然俺を思いやるようなものはなく、ただただ歪んだ愉悦が貼りついていた。
「その代わり、後でたっぷりと教えてやるよ。なんせ、俺が初めての男なんだからなあ。じっくりと俺好みのフェラを教えてやる。良かったな」
言いながら、ベッドサイドの引き出しからボトルを取りだし、キャップを開けて自分のモノに垂らしていく。粘性のそれは、ローションだと一目で分かった。
「葵のマン汁で濡らしてもいいんだけどよ、今回はこれ使ってやるよ。俺は優しいからな」
言いながらまんべんなく塗りつけ、先端をあてがってくる。くちゅりといういやらしい音と、先っぽから伝わる熱が再び俺の中に火を灯してしまう。
しかし、それよりも――
「ゴム……コンドームをッ!」
翔太とだって、生でやったことはないのに。腰を引こうとする俺をがっしりと捕まえて、林が自分のモノを擦りつけてくる。それだけで、自分の中がじんわりと濡れてしまうのが分かった。
腹の奥が、それを欲してしまっている。
「俺は女とやる時はいつも生なんだよ。それに、女を犯そうって奴がゴムなんてつけるわけねえだろ?」
「お願い……お願い、生だけは! ゴムをつけてッ!」
必死に懇願する俺に嗜虐心をそそられたのか、素股のように腰を揺すりながら林が笑う。
「お願い……お願い、します……」
そんな風に言いながらも、微妙に腰を押しつけてしまっている。雁首がクリトリスを擦るたびに、熱い吐息が漏れてしまう。
その反応で充分だったのだろう。林が腰を引き、モノに手を添えながら俺の真ん中に狙いを定めた。
「駄目だっつってん、だろ!」
「あッ……っはッ!」
正常位のまま、一気に貫く。ローションのお陰か、一瞬で最奥まで届いたそれは、信じられないほどの快感を運び込んできた。
「うッ……んんッ!」
「ははッ、ぎゅうぎゅうに締めてきてるじゃねえか。俺のチンポに絡みついて、せがみながらしごいて来やがる」
「ふうッ……ううッ!」
ゆっくりと腰を引き、ゆっくりと入れてくる。それだけで脳髄に火花が散ったように、目の前がちかちかしていく。林がなにかを言っているけれど、なにも分からない。
これが、本当のセックス。
ゴム越しの偽物なんかじゃない、本気のセックス。ゴム越しの翔太のものでさえ、あんなに気持ちよかったのに。比べものにならない。
なにも遮るものがない挿入が、こんなに熱いなんて。こんなに気持ちいいなんて。
固く逞しく勃起した林のモノが、自分の中全てを刺激していく。先端が、ごりごりと壁を削って行く感覚に、脳の全てが甘く溶けていく。
「んんッ、ああッ、ああッ、あうッ!」
自分に入れられているモノを包み込み、絡みつくように蠕動させる。林に与える刺激が、そのまま自分への気持ちよさになる。大きく張り出した雁首の形すら分かるように、くにゅくにゅと密着する。
「ぐッ、マジで気持ちいいなお前。顔もとろっとろに蕩けてるし、肌も赤ーく火照って。自分でどう思おうとも、お前のはセックスのための身体だ」
「あッ、あんッ! んんッ! あんッ!」
「へッ、気分出てきたじゃねえか。オラッ、オラッ、オラッ!」
「うんッ! うんッ! んんんッ!」
ぎゅうと、林の背中にしがみつく。厚い胸板で俺の胸が潰され、林の体温と熱さが注ぎ込まれてくる。
熱い。気持ちいい。
間近にある唇に、食らいつくように重ね合わせる。ずんずんと内側を突かれながら、舌を絡め合わせる。身体の中の波が、どんどん高まっていく。
交歓、交わる歓び。
「おうッ……チンポが溶けそうなぐらい熱くなってやがる。オラ、気持ちいいか? 言ってみろよ!」
「んッ! うんッ! んんッ! 気持ちッ……いいッ!」
「ぐッ、おおッ! 俺も最高だッ! 葵ッ!」
「んんんんッ! あんッ!」
林がじゅううと音を立てて首筋に吸い付いてくる。その痛痒すらも快感になって、林の背中に爪を立てる。
もっと。もっと欲しい。
一突きごとに、白い波が蓄積されていく。自分のお腹の奥を刺激されるたびに、それが高まっていく。くちゅくちゅという淫らな音でさえ、耳からの快感になる。
入れて、出して、入れて、出して。林のモノが中を擦れば擦るほど、ねだるように締め付ける。その気持ちよさを少しでも逃がさないように、出ていく林に名残惜しそうに絡みつく。
「ぐおッ、出すぞ葵! 溜まってたもん全部、お前に出すぞッ!」
「ふうッ、ああッ!」
中出しだとか、自分の周期だとか、翔太への罪悪感だとか、それらが全て吹き飛ぶような林の動き。早くなったピストンに、俺の波も限界を迎えていく。
「ぐうッ、ううううううッ!」
「あうッ……ううううううううッ!」
二人して獣のような呻きを上げて、イッてしまう。林のモノから吐き出された精子が俺の中を叩き、白い火花が弾け続ける。
「ふうッ、はッ」
びゅる、びゅると俺の中でイき続ける林。一滴でも多くしぼり取ろうと、下腹に力を入れる俺。精子が中に出されるたびに、身体中に悦びが満たされていく。
これが、女の気持ちよさ。
どろどろに溶けた、チョコレートのような甘く濃い気持ちよさ。
なんて、気持ちいいんだろう。